+TIC(プラスチック)

「+TIC」は、私たちを取り巻く環境のことや、新しい傘の構造、そしてデザインのことを
考えていく中で生まれました。 ここでは「+TIC」が完成するまでのストーリーをご紹介します。

1958

日本のビニール傘

1958年、ビニール傘は、布傘の漏水を解決するための、機能が優れた傘として生まれました。次第にビニール傘は低価格で簡素につくられるようになったため、壊れやすく、同時に傘を使い捨てるという日本独自の消費構造が定着していきました。結果として、捨てられたビニール傘が日本中に溢れることになりました。

2006

傘文化そのものを変えたい

2006年、日本のビニール傘の消費構造を変えたいと思い、人にも環境にもやさしい傘の開発がスタートしました。日本で消費される傘の70%はビニール傘。ビニール傘に変わる新しい傘をつくり、多くの人に私たちの想いを知ってもらうことで、日本の傘文化そのものを変えていきたいという考えがありました。

2012

耐久性のある傘を目指して

使い捨てない傘を構想していく中で、強度と柔軟性を兼ね備えたプラスチックの特徴に注目。金属を使わず、全てをプラスチックにすることで、リサイクル可能な耐久性のある傘を目指しました。人にも環境にもやさしい傘は、オールプラスチックの傘によって実現することができるのではないかと考えました。

2014

新しい傘のブランディング

2014年、新しい傘文化をつくり出すために、デザインチームとしてエイトブランディングデザインを仲間に加え、業界的にも珍しい傘のブランディングプロジェクトをスタートさせました。コンセプトやネーミングから開発し、新しい傘のビジョンをつくっていきました。

2015

一体感のある美しいフォルム

2015年、まったく新しい傘をつくり出すために、プロダクトをプロダクトデザイナーの柴田文江氏に依頼。議論を重ねながら試作を繰り返し、プラスチックでありながら上質で、細部まで一貫した美しい形状が生まれました。

2016

「+TIC」完成

2016年、構想から10年の時を経て、オールプラスチック傘として「+TIC」は完成しました。従来の傘のすべてのパーツを、細部まで一貫性のあるデザインで刷新し、これからの傘のスタンダードとなるに相応しいものをつくりあげました。

FUTURE

傘の新しい文化をデザインする

「+TIC」のネーミングは、人にも環境にも優しく、雨の日が楽しくなるようにという想いを込めた「+」と、「プラスチック」を組み合わせて作られています。ロゴマークは、すべてがプラスチックでつくられ、一貫性を持ったプロダクトデザインを象徴するように、一筆書きでシンプルに傘を表現しています。人にも環境にもやさしい傘として、「+TIC」はこれまでの傘の常識をくつがえし、新しい傘の文化をデザインしていきます。

「+TIC」のプロダクトデザインについて柴田文江

プラスチックというと、どうしても量産された、品質感がないイメージを持たれがちですが、「+TIC」は上質なプラスチック製品にしたいと思いました。「+TIC」のデザインの特徴は、一本の棒で貫かれたような新しい傘の形状です。棒状にして一体感を出すことで、オールプラスチックであることを表現しつつ、今までの傘との違いがひと目でわかるものになっています。手元のストラップには、同じ樹脂素材でありながら柔らかさが違うものを採用し、細部まで一貫してプラスチックであることにこだわりました。また、一番大きな面積をもつ傘生地は、細かいボーダーにすることで、色でも柄でもない新しい質感を目指しました。

「+TIC」のブランディングデザインについて西澤明洋

「+TIC」は使い捨てのビニール傘による環境問題を解決し、新しい傘の在り方を考えていく社会性の強い商品ブランドです。そのため、コンセプトやネーミング、ロゴデザインの開発からきちんと行い、ブランドのビジョンを構築してきました。さらに傘生地のグラフィックの展開や、コミュニケーションデザイン全体を手掛け、ブランドと社会の接点をきめ細やかにデザインしています。今後どのようにブランドを育てていくかを考えながら、ブランド全体のディレクションを担当していきます。

「+TIC」の構造について山本健(サエラ代表)

「+TIC」は、傘における様々な新しい構造がつまっています。まずは、開閉についてですが、受骨を改良し、張力を出すことでスムーズに開き、閉じる際は、通常手元のはじきで固定しますが、中棒と手元の間にPOM(プラスチック)を取り付けることでストッパーとなり、安全に閉じることができます。また、傘生地の張り替えができますが、露先を改良することにより、安全で簡単に傘生地を取り外せるようにしています。さらに、オールプラスチックなので強風でも壊れにくく錆びない、そしてすべてリサイクルすることも可能です。「+TIC」は、長年の構想が形になった新しい傘です。この度、プロダクトをリリースすることができましたが、ここから社会的に広めていき、環境に優しい新しい傘の文化を育てていきたいと思います。

+TICの構造

PRODUCT DESIGN

Design Studio S 代表 柴田文江Fumie Shibata

柴田文江

エレクトロニクス商品から日用雑貨、医療機器、ホテルのトータルディレクションまで、インダストリアルデザインを軸に幅広い領域で活動をしている。代表的な作品に、無印良品「体にフィットするソファ」/オムロン「けんおんくん」/カプセルホテル「9h(ナインアワーズ)」/JR東日本ウォータービジネス「次世代自販機」/庖丁「庖丁工房タダフサ」/木のおもちゃ「buchi」などがある。毎日デザイン賞/グッドデザイン金賞/ドイツiFデザインアワード金賞/ドイツred dot design awardなど多数受賞。武蔵野美術大学教授/2015年よりグッドデザイン賞審査副委員長
デザインスタジオ エス ウェブサイト

BRANDING DESIGN

EIGHT BRANDING DESIGN 代表 西澤明洋Akihiro Nishizawa

西澤明洋

エイトブランディングデザインは、「ブランディングデザインで日本を元気にする」というコンセプトのもと、企業のブランド開発、商品開発、店舗開発など幅広いジャンルでのデザイン活動を行っている。「フォーカスRPCD®」という独自のデザイン開発手法により、リサーチからプランニング、コンセプト開発まで含めた、一貫性のあるブランディングデザインを数多く手がける。主な仕事にクラフトビール「COEDO」、抹茶カフェ「nana’s green tea」、キリン「生茶」、料理道具店「釜浅商店」、LPガス「カナエル」、手織じゅうたん「山形緞通」、ヤマサ醤油「まる生ぽん酢」など。エイトブランディングデザイン ウェブサイト

新しい傘を持って出かけよう。

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